金沢美大ガラス集中講義 初日

金沢美大ガラス集中講義 初日
M.Mグラススタジオの仕事が滞らないように池本さんとスタッフに任せて、今日から金沢美術工芸大学の集中講義が始まりました。
工芸科は一学年20人程度でそのうち6人が金属工芸を専攻した学生。今日からその学生達といくつかの技法のガラスに触れて、がらす素材の見識を広げてもらいます。ガラス素材の良さや、難しさを感じる事が出来れば、きっと自分達が専攻した金属工芸の良さも、さらに興味深く感じるはず。
さあ、一日目の授業を始めます♪
と言う訳で、ガラス工芸の作業を始めるための工房や場所の準備が初日の仕事。これから一週間ガラス制作をするために、ガラス溶解炉や、持ち込んだ電気炉、ステンドグラスのセッティングをします。
ガラス溶解炉と言ってもものすごく簡素に設計して造った窯なのでバーナーを窯に固定する事から始め、学生たちがバーナーの向きや固定の方法を考えてセットしてもらいます。ガラス工芸を知っている方であれば「そんな設備で授業になるの?」と思うかも知れませんが、実はこの事が、この集中講義の重要なポイントでもあります。
工芸素材で作品を制作するには、必ず機材や道具が要ります。特に火を使う陶芸や金工、ガラス等は多くの設備が必要です。しかし、設備が無いと何もできないと思うのではなくて、自分達の周りにある物や知恵を使えばガラスをも熔かして吹きガラスで作品を造る事が出来る。その事を知れば作品を造る際にも道具を買うだけでなく、自由に発想して作品を造るための道具すら自分自身で制作するようになってさらに見識が深まると考えているからです。
さて、「今年の学生はどんなかな~」と見ていたらバーナーのセッティングにも興味を持って学生同士でお互い意見を言い合ってました。 今年も楽しくなりそうです♪

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ガラス溶解炉 アングルや金属片を使用してバイスではさんでバーナーを固定。角度や向き、差し込み口までの距離が大切です。今年もちゃんとガラスが熔けますように(願)
(気温の変化や向きによって上手く熔けなかったり、坩堝が割れたりする事があります。)

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簡易ガラス工房の出来上がり。綺麗にセッティングが出来ています。
もちろんベンチも学生に組み立ててもらいました。

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ガラスの集中講義の時期は一回生の鍛金、彫金の授業もしています。
伝統工芸らしく、作業場は畳の上で!(窓には障子) 左青いTシャツ 薮内先生

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二回生以上になると各専攻に分かれて、技術を学びます。
みんな真剣です。(金工作業風景)