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チェコの現代ガラスアート

チェコの現代ガラスアート
私がガラス作家として活動を始めるにあたり多くの事を学んだチェコのガラスアートは今どのように進んでいるのかを視察して回ります。ヨーロッパの観光名所として栄えているプラハ内では、現代美術の需要は決して高くありません。そんな中でも何処かにチャンスは無いかと探していたところ、日本でお世話になっているなっているギャラリーのオーナーと、プラハ城内ギャラリーの学芸員からと同じ答えが返ってきました。DOXギャラリーとカンパミュージアムです。
DOX(ドックス)ギャラリーでは日本でも人気の高いガラス作家で一緒にオフィスやマンションに作品を納めたこともあるイヴァナ・マシュトヴァの個展が開かれています。
カンパミュージアムではプラハ工芸大学のマリアン・カレル教授(ガラス作家)の個展。色々な素材、絵画、立体のチェコの現代美術の作家たちの作品展が行われています。また、街中で見つけたガラス作品を紹介します。

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DOXギャラリー プラハ本駅から地下鉄で3つ目、ホルショヴィッツェ駅から歩いて5分ほどの場所にある美術館ギャラリー。企画展示も作品の販売もする。新しくできたギャラリーで子供向けのワークショップも行われています。
M.Mグラススタジオが管理運営するきららガラス未来館の将来の姿にちかいかな?

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イヴァナ・マシュトヴァ展 日本にも多くの作品が納められています。

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イヴァナの鳥たち。石や流木、ブロンズなどの金属と合わせて制作されています。
スーパーセンスが良いです。(感激)

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イヴァナの動物たち。視察している池本さんの写真からわかるように非常に大きな作品です。どれも愛嬌があり、同時に造形的でもあります。芸術の基礎力であるデッサンの力を感じます。

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イヴァナの人たち。私の身長が175cmほどあるのでガラスのフューマンは2m以上、どれも巨大です。しかも細いガラスの足だけで立っています。すごいバランス感覚。日本の展覧会では受け入れられるかな~。(地震のある日本では危険かも。)

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カンパミュージアム マリアン・カレル展(プラハ工芸大学のガラス科教授)
板ガラスを使った造形を追及しています。私が富山ガラス造形研究所に勤めているときにワークショップの講師として来てくださいました。奥様のダナ・ザネチニコヴァさんも超有名なガラス作家です。

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石と板ガラス。構造体の金属柱と板ガラスを組み合わせて作品にします。

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カンパミュージアムの常設展示には、数多くの現代ガラス作家の作品も展示されています。右からダナ・ザネチニコヴァ、フタニスラフ・リベンスキー&ヤロスラヴァ・ブリフトヴァ、チィッグレル、ウラジミール・コペツキー、どのガラス作家も超有名な巨匠たちです。全員のガラス作家に会ったことがあります。(自慢)

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フタニスラフ・リベンスキー晩年の作品「法衣」のシリーズです。リベンスキーが来日の際に仏教の法衣にインスパイアーされて制作した作品といわれています。
私が最も尊敬するガラス作家で私の恩師クライン先生の師匠になります。そんなことから私は孫弟子になるんですよ~♪(自慢) 16年前に、たった3日ほどでしたがリベンスキー工房で手伝わさせて頂きました。一生の良い思い出です。

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絵画、立体のチェコの現代美術の作家たちの作品

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旧市街地にある銀行のエントランス 街中のいたる所にリベンスキー氏の作品が。

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旧市庁舎時計台のエントランスにもリベンスキー氏の作品。この大きさにして、このクオリティー。
それを支えるデザイン力の高さが凄過ぎます。
まだまだ、紹介したい作品はあるのですが、掲載した写真は今回の視察で代表的な作品ばかりです。
近い将来、ドイツ、チェコでの日本人の創るガラス造形展を行えるように話も始まります。その時のために更なる努力と研鑽を積み上げていきたいと思います。