ベネチアングラス レース棒

ベネチアングラス レース棒
皆さんも「ベネチアングラス」と言う言葉を一度は聞いた事があると思います。そのベネチアングラス技法の中での最高峰と言われる技がレースグラスになります。
「ベネチアングラス」はイタリアの大切な産業、文化、技法として政府に守られていました。ベニスのムラーノ島にガラス工房と職人を集め、そこで制作させる事で勝手に渡航し技術を流失させないように管理をしたと言われています。中世の頃は勝手に渡航して政府につかまり処刑されたとか。(怖)
ですから100年ほど前であれば日本人の私がレースグラスを造ることなど絶対に考えられない事でした。
しかし、現在はグローバルな時代になった事で、イタリヤからマエストロに来ていただいて学んだり、私達の様な日本人でもムラーノ島で技術を見ることができるようになりました。もちろん日本の職人技と一緒で、逐一教えてもらえる物ではありません。見せていただいた先は自分で研究をします。
私は、レースグラスの繊細さがとても綺麗なので15年前の学生のころからから制作、研究を続けています。
今日は天気も良く、風も穏やかなので注文を受けているレースグラスの制作をする事にしました。
繊細なレースグラスを制作するには美味しいお料理と一緒で沢山の下準備が必要です。最も大事な準備がレース棒の制作。レース棒を造るにはアシスタントとの息の合ったコンビネーションが不可欠。
さあ、その様子をご覧下さい♪

re-su1.JPG
レースグラスの元、ストレートケーンを並べます。
以前にもブログでで紹介したケーンワークです。

re-su2.JPG
レース棒の大きさは、写真の通り直径10cm位のガラスの塊です。
上のストレートケインを透明ガラスの周りに張り付けた状態で、熱しながらなじませています。
この時はまだ、白いレースになる線がわりとまっすぐです。

re-su3.JPG
アシスタントがポスト(レースガラスを受ける側の竿)を用意して待ち構えて、
ガラスが柔らかくなるのを待っています。

re-su4.JPG
ポストを受け取り熔けたレース棒になるガラスをくっつけます。
白いガラスの線がねじれて編んだような感じになってきています。

re-su5.JPG
レースガラスの間隔がバランス良く伸びるように調節をし、ねじ込んで編みながら徐々に引っ張ります。

re-su6.JPG
レース棒をなが~く均一に引っ張ります。これがとても難しい!(大変)
(長く引っ張るために、天気の良い風の穏やかな日でないと工房をオープンにして制作が出来ません。
風が強いとレース棒が曲がったり、折れたりするんですよ。)

re-su7.JPG
今日一日レース棒を引っ張り続けてこの収穫。綺麗なレースグラスが出来そうです。
レースグラスの組み立ては後日掲載します。お楽しみに♪